ボルネオ島の超マイナーな絶滅危機言語:ルングス語
ルングス語の話者数がどれくらいいるのか調べたことはないのだけれど、ボルネオ島最北端のクダット地域を中心に少なくとも1万人くらいはいるでしょうか。今ではマレー語教育が進み、また英語の必要性も高まっているので、ルングス語を話す人口はもっと減少しているかもしれません。
ルングス語はマレー語やインドネシア語の親戚であることは間違いないですが、そこまで近くはなくて遠い親戚くらいの感覚でしょうか。(私はマレー語はそれなりに理解できますが、ルングス語は聞いていても全く理解できません。)
むしろルングス語はフィリピンのビサヤ語と近しいかもしれません。昔、ボルネオ島の北にあるバンギ島から更に北の海上ですれ違ったパラワン島からの漁民とこちらの船長がお互いの言語で言葉を交わしていたのを見た経験があります。お互いの言葉はなんとなくわかるそうです。そう言えば、我がホストファミリーの三女の旦那さんはフィリピン・パラワン島出身の元フィリピーノですが、今ではルングス語とマレー語を不自由なく話しています。
試しに数字の1、2、3、4で3つの言語を比較してみます。
あれ?3つともよく似てるなあ?!
マレー語 satu, dua, tiga, empat
ルングス語 iso, dubo, tulawa, apat
ビサヤ語 usa, duha, tulo, upat